INTERVIEW
DOI KANJI

土居寛二

MDC株式会社 代表取締役 https://mdc-c.com/

略歴

神奈川大学経済学部卒業、新卒でインテリア商材を製造販売するグループ会社の販売会社において、13年間営業職に携わる。在職中に中小企業診断士資格を取得し、2000年に独立。2006年に法人化。現在は社員教育セミナー・研修講師業を中心としている。2005年、経済学修士。致知人間学読書会認定コーディネーター。著書は、単著で「担保に頼らず1億円集める!資金調達」および「手形・小切手の取引実務」共に、かんき出版。共著は多数。

-現在の仕事についた経緯-

大学在学中より独立志向がありましたが、ビジネスを経験するために就職しました。
3年で退職意向を伝えましたが、上司に恵まれ、4年目から新部署に異動、ここでの学びが今の私を支えてくれています。前職には感謝する次第です。ただし、今生に後悔はしたくなく、独立という道を選択しました。
徐々に仕事も増え、中小企業のコンサルティングも300社近く、財務分析は1000期ほどという経験を得られました。運も良かったと感じています。
10年ほど前から、人間力を高めるために、自らの修養に努力しています。現在の業務の中核である研修・セミナー業でも、人間力を高める取り組みを交えつつ、登壇しています。

-仕事へのこだわり-

仕事へのこだわり、それは「プロとしての仕事をやる」ことです。
社会人1年目、営業職でしたが成績は全く振るわず、絶望の毎日でした。「石の上にも3年」だけは守ろうと、日々、風雪に絶えるが如く、会社に貢献できない無力感、針のむしろのような中に身を置くしかありませんでした。
そんな中、約束は絶対に守る、人に迷惑をかける対処はしないなど、基本的要素は徹底して行うようにしました。たまに営業目標を達成した月でも、決して喜びは表さず、淡々と、真正面から仕事に向き合うことを意識するようにしました。
喜怒哀楽に振り回されず、なすべきことを着実に行っていく、泰然自若とは言い過ぎですが、こういう心がけが20代前半で得られたことは幸いだったと思います。
35歳で独立。自分の使命を感じて仕事をする日々は有意義でやりがいがありました。
あるとき調査の仕事をいただきました。報酬は5万円。嬉しくて一所懸命取り組みました。成果も評価され、今となっては有意義な思い出です。
その後、リーマンショック前の好景気のとき、5万円の仕事への私の意識は変わっていました。「面倒だな、この報酬じゃあ、この程度の労力だな」と見下し、不満感さえ抱いたのです。今となっては、自己修養の甘さに恥じ入るばかりです。今後の仕事に対する姿勢への戒めとして忘れないようにしています。
再掲しますが、仕事へのこだわり、それは「プロとしての仕事をやる」ということです。
わたしが定義するプロとは、報酬や納期によって自らのパフォーマンスを変えるようなことはしません。常に顧客に最大の価値を提供するよう、ギリギリまで努力し工夫する人です。

-若者へのメッセージ-

「他責でなく自責と考える」会社が悪いから、上司が悪いから、客が悪いからと、他人の責任にしないこと、自分を傍観者に位置づけないこと、これが成長する鍵です。
すべて自分事とし、自分が仕組みを作るなら、上司と関係を良くするには、お客様の立場ならという観点から物事に対峙し、自らを主人公にすることこそが、自己成長につながります。
「20代で人間に揉まれなければ、一生使い物にならない」この言葉は、ある会社の副社長(女性)が、就職浪人の若者に語った言葉です。
専門知識・技術、マーケティングやコミュニケーション力、このような“時務学(その時代を生きるための学び)”は、どんどん自力で習得してください。会社は給料を払ってお勉強させてくれるような慈善団体ではないので、自ら学ぶのです。
そして最も重要なのは“人間力”の強化です。これには、人との交流(協調や対立など)しかありません。
全て自責、自分が主人公、そう考えて、人間同士の問題やあらゆる困難を経験することで、人生は実りあるものになっていきます。
古典の知恵、「苦労した者の成功は必然」なのです。