INTERVIEW
ARIMURA KAORI

有村香織

株式会社maak 代表取締役 / インテリアデザイナー https://maak.jp/

略歴

福岡県出身、横浜、東京育ち。武蔵野美術大学短期大学部卒業。spasso環境計画株式会社に入社、主に某大手化粧品会社の店舗設計、デザインに従事。デザイン事務所に移籍後、チーフデザイナーとして様々な店舗設計、デザインや業態開発を担当。2003年、一年間のロンドン遊学、ヨーロッパデザイン放浪の旅を経て帰国。2004年に独立、CITRONDESIGNを設立。フリーランスとして様々なプロジェクト、店舗設計デザインのほか、プロダクトブランドの立ち上げや、イベント開催、個展等、精力的に活動。2014年、法人化し株式会社maakを設立。精力的に活動する一方で、女児出産をきっかけに、働く女性の一人として日本における様々な問題を体感し、女性がもっと素敵に活躍できる世の中を創造するべく、様々な角度から共に考え、共有し活動していける場を作りたいと模索。2022年、女性がもっと自由に選択肢をもって、しなやかに働き、自分らしく生きていけるという社会的意識の向上を目指して活動するコミュニティ『SISTERHOOD』を設立。

-現在の仕事についた経緯-

学生時代から、美術、体育、音楽と技能科目が得意で大好きだった中、家にあった兄の大学受験のいわゆる赤本を手に取り、ふと進学と将来の職業の適正診断(Yes Noで進む簡単なもの)みたいなものをやってみました。そこで初めて美術大学という選択肢を見つけ、その先の職業が全て私は興味あり!でした。

特に当時からインテリアデザイン、お店のデザインに興味があったので、美大に行こう!と即決しました。当時はインターネットもなかったので、次の日には、朝から美術の先生のところに走り、「私、美大に行きたいです!デザイナーになりたいんですけど、どうしたらいいですか!」と聞きに行きました。
その一歩から今の道が続いています。

その道の途中で、建築や美術、そして社会に出てビジネスの在り方をたくさん経験し、インテリアデザイナーとして自分の得意と特技を活かして様々なことができる可能性を感じています。

-仕事へのこだわり-

常に学ぶことを心がけています。この多様性の時代の中、好きで得意を仕事にできた私自身でも知っている世界はすごく小さくて狭いです。だからこそ、本質や重要性を見極めて、多くのことを常に前向きに学び、柔軟性を持って受け入れていくことを大切にしています。

若い時は、物事や色んなことに対して白黒はっきり、善悪もはっきりするべきで、きちんと自分の意見を持つことが正しいと感じていました。また、自分がどうあるべきだとかを考え、それが個性につながると感じてちょっと無理をして頑張ってもいました。でも、多くのことを学べば学ぶほど、逆にいかに自分が、無知で小さな世界しか知らなかったかを痛感しました。
世の中は白黒だけでなく、グレーで曖昧なこともあり、物事には正解も不正解もありません。だからこそ多くを学び、大切なものが何かを探求していくその過程が大事だと今は感じています。

私の座右の銘は『無知の知』です。まずは、知らないということを思い知る。そこを痛感することで、学びの姿勢が生まれ、物事だけでなく、相手の気持ちや環境・世界を知ることが出来て、そこを知ろう・理解しようという自分の姿勢が届き、より多くのことを学んでいけると感じています。
それを通して仕事に向き合っていくことで、より深いコミュニケーションが生まれ、より良いものを想像していく基本がそこにあると信じています。

-若者へのメッセージ-

今の時代は、情報が多すぎて私自身も迷ってしまうことも多いですが、それを否定的に捉えるより、うまく使い分け、取捨選択して自分のものにしていく力が大切だと思います。その為にも、とにかく自分に向き合い、自分がやりたいこと、知りたいことにはチャレンジあるのみです。

やらずに後悔よりやって後悔。人生は一度きり。元気であれば、何度でもやり直せるし、失敗しないと上手くならないと思います。トライアンドエラーの連続です。人生は本当に短いから、カッコつけて知ったかぶりしてチャンスを無駄にしている時間は勿体無いです。知らないことは「何それ教えて!」と飛び込んでいけば、どんどん世界は広がります。

私自身、たくさん失敗や恥ずかしいこともあったけれど、かすり傷だと思って笑って前に進んでいます。(たまには落ち込みますが、それも大事かなと。)私自身もまだまだこれから、一生、色んなことに楽しくチャレンジしていけたらなとワクワクしています。