INTERVIEW
ARIMUNE YOSHIHARU

有宗良治

株式会社ストックジャパン 代表取締役 https://snap-up.jp/

-現在の仕事についた経緯-

私の金融業界人生は、大和証券に入社したことが始まりです。
離職率が高いと言われている証券会社で、たくさん大変な思いもありましたが、私は、「負けず嫌い」という性格や「決めたことは最後までやりきる」ということを大切にしていたので、離職するなんてことは毛頭ありませんでした。
その中で、同期150名の内、従来よりも1年早く課長代理という役職に抜擢され、且つ、株式委託手数料収入全店同期営業部員中、常時トップ10に入る成績を収めてきました。
その後は自身のスキルアップを考え、機関投資家を相手にする外資証券会社や、先物商品取引の代表取締役社長を経て、たくさんの金融経験を積んできました。
そして60歳を迎えたときに、私が今まで培ってきた金融知識や経験を、個人の方々に伝えていきたいと思い、個人との距離が近しい「投資顧問会社」の代表取締役を務めることを決意しました。
私の金融業界人生の集大成として、そして私の金融業界人生最後の舞台として、今、この仕事にやり甲斐を感じ、日々全うしております。

-仕事へのこだわり-

私が仕事に対して大事にしていることは「感謝」です。これは一概に、仕事に対してというより、私の人生の中で大切にしていることです。
私が生きている中で、多くの人のおかげで今の私がいます。感謝は、お金と違って、いくらしても失うものはありません。逆を返せばプラスしかないのですから、どんどん感謝をしなければ損です。「感謝しすぎ」と言われるくらいで、ちょうどいいと私は思います。
例えば、感謝が口癖の部下は「可愛げ」が生まれ、上司から注目されやすいでしょうし、感謝が口癖の上司は「人望」が生まれ、部下から慕われやすくなるでしょう。
感謝の言葉を口癖にすることは、出世できる条件の1つだと思っています。好意や親切を受けたときは、それが大きな親切だけでなく、小さな親切であっても、きちんと感謝の言葉を伝えることを意識しています。

「宅配便で届けてもらった荷物を無言で受け取っている」
「スーパーやコンビニで、無言のまま商品を受け取っている」
「レストランで料理が運ばれたとき、無言のまま食べ始めている」
よくあるシチュエーションですが、自分に意識が向いてばかりで、感謝の気持ちが希薄になっていることが少なくありません。

この世の中、人間には面白い法則があります。
人から好かれる人はどんどん好かれ、嫌われる人はどんどん嫌われていく法則です。うまくいく人はどんどんうまくいき、うまくいかない人はどんどんうまくいかなくなります。
なぜこんなに極端に2つに分かれてしまうのかというと、キーポイントは「感謝」をするかしないかにあるのです。
常にうまくいく人は、感謝もたくさんする人です。感謝をするから相手に喜ばれ、また助けてもらえる。この好循環のサイクルが「感謝」のおかげで出来上がっていると私は感じています。

楽しい毎日を過ごせているのは、友人のおかげ。
仕事がスムーズにできているのは、職場の人たちのおかげ。
荷物を受け取れるのは、運んできてくれる人がいるおかげ。
本を読むことができるのは、書いてくれた人がいるおかげ。
美味しい料理を食べることができるのは、作ってくれた人のおかげ。
そして、今まで無事に成長できたのは、関わってくれた人々のおかげです。
明るい声で「ありがとうございます」という一言を心掛けています。

-若者へのメッセージ-

私たちが生活していく中での“基礎”である「衣食住」。
衣食住の中で、常に隣り合わせになるのが「お金」。
その「お金」に対する知識、いわゆる金融リテラシーの向上が、現代社会には必要であると考えます。
日本の大きな問題である一つ「年金問題」。
「老後2,000万円問題」という言葉も記憶に新しいですが、今の若者たちが歳を重ねて、年金受給の年齢になる頃には、年金の支給開始年齢が引き上げられる、もしくは、そもそも支給自体が無くなってしまうといった可能性もあるでしょう。
「2,000万円」という金額は、毎年5万円ずつ30年貯めても届かない金額です。
しかも今の大手銀行の普通預金金利は0.001%、100万円を1年預けても、利息はわずか10円。超低金利の今、貯金だけで2,000万円を貯めるのは難しいと言わざるを得ません。
しかも超高齢化や物価上昇が続くと、2,000万円では足りなくなるかもしれないのです。
日本人の平均寿命は年々延び続けており、男女ともに80歳台を超えています。猛スピードで進歩する医療技術によって、「100歳まで生きる」が当たり前の時代も、もうすぐそこまでとなっているかもしれません。
その中で、果たして「老後生活が2,000万円で足りるのか?」ということが疑問に残るでしょう。

そんなとき必要になってくるのが、「資産形成・運用する力」です。自分でお金を増やす力が求められています。その中で、日本ではようやく、2022年4月から高校で金融教育が義務化され、資産形成の授業がスタートしました。
「高等学校学習指導要領」で、資産形成の方法として「投資」を高校での授業内容に組み込むことが提言され、これにより、投資の授業が始まることになったのです。
さらに、ネット社会である、現代。私の学生時代では、現代のように、疑問に思ったことや気になることを調べるのも一苦労でした。ただ、現代はスマホやパソコンが当たり前のように身近にあります。インターネットで調べれば、すぐに答えが出てきます。便利な世の中になりました。
ですから、皆さん。まずは「生きる」ということから、向き合ってください。
そして、今の年齢から80歳まで、生きるために必要な「お金」を試算してみてください。

「お金、おカネ」って、いやらしく思われるかもしれません。もちろん、生きていく中で「愛」も大事です。
友人への愛や家族への愛、自分への愛など、さまざまな「愛」の種類があります。愛とお金はどちらも大切なものですが、どちらか一つしか選べないとしたら、愛がある人生とお金がある人生、どちらを選びますか?
これは順番の問題です。お金がなければ、今の世の中を生きていけません。愛する相手を養うこともできません。そういう意味では、「愛さえあれば、お金なんていらない」なんて考え方は、愛を軽んじている証拠かもしれません。
この問いに対して、的を射た言葉があるので紹介します。
「人生に必要なものは、愛と勇気とお金が少し」。チャーリー・チャップリンの言葉です。
「愛と勇気」だけだと偽善っぽく感じるところを、「お金が少し」と現実を少し加えることで、とても信頼できる言葉になってると思いませんか?
これが現実なのです。もっともっと「お金」に対しての考え方や知識を培ってほしい。
現実から目を背けず、「生きる」ということと向き合い、とことん人生を謳歌していただきたい。
自分が描く将来像に向けて、一生懸命に生きよう。