INTERVIEW
ADACHI JIRO

足立治朗

長尾産業株式会社 代表取締役社長 https://nagaoltd.co.jp/

現在の仕事についた経緯

大学卒業後は地元の専門商社で営業職に従事していました。
長尾産業は工業技術専門商社として「音」と「振動」に特化した会社で、当時は後継者の不在が原因で社員の定着率が低下するなどさまざまな問題が起こっていました。
そこでひょんなご縁から私に白羽の矢が立ち、まずは営業の一戦力として27歳で入社したという流れです。

仕事へのこだわり

長尾産業は茨城県内の大手企業様や国の研究機関を主なお客様として非常に安定的なBtoBビジネスを行っています。いわばリピーターのお客様との長く深いお付き合いがあるからこそ今の長尾産業があるといっても過言ではありません。したがって、日頃から従業員には「昼間、堂々と道の真ん中を歩けるような営業だけをしよう」と言い続けています。
どうしても仕事をしていると、人間「これを言わなければ売れるかもしれない」といった良くない気持ちが出てくる場合もあるでしょう。
しかしそのような暴利を貪る行為をしてしまえば最後、これまで築き上げた信頼は一瞬にして崩れてしまいます。
そのため、嘘をついたり騙したりといったことは絶対にせず、誠実さを徹底して貫くよう、私を含めた社員一同常に意識しています。

今後の目標

長尾産業は計測器や試験機などの販売をする営業部門と、振動試験の受託業務、出張計測作業を行う技術部門からなる会社で、現在の利益構造は3分の1が営業、残り3分の2が技術系業務によるものとなっています。
この点において、まずは営業職の人間を増やし、利益構造をフィフティ・フィフティにすることが直近の目標です。
そこでまず課題となったのが有望な若手人材の採用でした。
弊社のように名の知れていない会社が新卒採用に臨んだところで良い人材が確保できるわけがないというのがこれまでの考え方でしたが、一昨年から「諦め半分でいる限り事態は何も変わらない、自分達から先ず変わろう」と考え方を改め、2022年夏より新卒採用に向けて準備を進めて参りました。
既存社員のマインド面においても徹底的に教育し、右も左もわからない若い人材が入社しても安心して勤務できるようハード、ソフトの両面で万全の体制を整えました。
おかげさまで現在は2024年の新卒採用に向けて会社説明会を実施し、実際に数名の方が面接フェーズまで進んでいます。今後は新卒社員の方々を戦力として迎え、会社に新たな風を吹き込んでもらえることを期待したいところです。

若者へのメッセージ

就職セミナーや企業説明会に参加していると、「長尾産業」という社名を聞いて素通りする方と、なんだか面白そうだから話を聞いてみようという方と、反応が二分することに気づきます。
その割合は前者が9割、残りが1割といったところでしょうか。
「とりあえず話だけでも聞いてみるか」と軽い気持ちで1歩進める1割の方々は人生が大きく変わるかもしれない可能性を秘めている人だと感じることが多くあります。
それはたとえば営業職でいう「新製品が出たからとりあえず紹介してみようか」という気持ちであったり、エンジニア職でいう「ちょっと今までとは違う手法で解析してみようか」という思いつきのようなもので、それは勇気すらも必要としないほんの些細な行動です。
ただ、そのちょっとした行動こそが未来を変えることに気がついていない方が意外に多いように思います。
先ほどの就職説明会の話あれば、「会社の話を聞いてしまったら次のプロセスに進まなければいけない」と頑なに思い込んでしまっている学生の方が多いように感じるからです。
ただ実際のところ、採用側はそこまで事態を重く見ていません。
ですから、あまり難しく考えずに、なんでも経験してみるチャンスがあればまずは気軽に行動を起こしてみる。
その気軽な一歩が、皆さんの人生に彩りを添えてくれる結果をもたらすのではないかと思います。