早稲田大学商学部を卒業後、マツダへ入社。1995年に32歳でIT業界に転進し、2002年12月に1人でCLINKS株式会社を設立。業界未経験から、グループ企業含め1000人規模にまでCLINKSを成長させた。現在は同社代表取締役として、テレワークを日本の働き方のスタンダードとするべく推進中。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
起業前は、ソフトウェア開発を手掛ける小さな会社に役員として勤めていました。SEとして非常に充実した毎日を送っていましたが、いくつか業界の課題点にも気が付き、それを改善したいと考え、それであれば自らリスクを負うべきだと判断して起業を決意しました。
また、エンジニアとして仕事をしていくうちに、所属している会社の後ろ盾がなくても自分自身の実績や信用で仕事を受注できることに気が付いたのも、背中を押された要因の一つです。
事業のアイデアやビジョンも生まれていましたし、PCが世の中にどんどん広がっていく時代でニーズも非常に高かったため、うまくいかないという不安はありませんでした。
-仕事へのこだわり-
私は無駄な努力が好きでない気がします。
例えば幼少期から要領がよく、成績は優秀でしたが、授業中には友人と喋ったり教科書に得意な車の絵をひたすら描いたりするなど、落ち着きのない面もありました。高校は進学校ですが成績は底辺に近く、模試でも最高でD判定の早稲田大学で多数の学部を受験することによりギリギリで合格しました。
大学では単位を取って卒業できれば良いという考えから、友人のサポートや情報共有、教授に頭を下げるなどしてギリギリで卒業しました。基本的に勉強は好きではなかったので、どれだけ努力を減らして結果を出せるかにこだわっていました。
最初の社会人経験は自動車業界を志望した結果、マツダ株式会社に入社しました。新人時代はセールス研修として、半年ほど販売会社で実際に車を売る業務を経験しました。その際も知り合いに声をかけたり、保険のセールスとバーターで車を買ってもらったりなど、とにかく楽をして早く結果を出すことにこだわり、結果として2か月でノルマを達成し、あとはずっとさぼって遊んでいました。
IT業界に入ってからは、ITを活用すれば仕事が楽になる!ということに気が付き、それからは仕事が楽しくて仕方なかったです。ただ面白すぎて、例えば年に一回ほど、1日かかる仕事を半日に短縮するためのプログラムを2週間かけて作った時は、逆に無駄なことをしていることになかなか気が付きませんでした。
2016年から始めたテレワークの推進は通勤時間の無駄を減らすアイデアから生まれ、当社の主要事業にまで成長しました。テレワークの専門サービスを提供し、地方在住の人々や主婦と企業を結びつける試みをコロナ以前から手掛けていたことは、客観的には先見性があったのかもしれません。
数年間は理解されなかったものの、コロナ禍でテレワークが浸透し、サービスも急成長しました。2022年には地方創生テレワークアワード(地方創生担当大臣賞)を含む多くの賞を受賞し、在宅ITエンジニア派遣事業は当社の重要な柱となりました。
-若者へのメッセージ-
みなさんには、「まず行動してみる」という姿勢を大切にしてほしいです。
私は学生時代は遊んでばかりで、成績も芳しくありませんでした。今もなお、特別な習慣があるわけではありません。しかし、昔から瞬発力だけはあり、やりたいことには手をつけずにいられない性格です。
計画やシミュレーションは重要ですが、行動に移すことが情報を得る最も効果的な手段であり、成功への近道だと考えています。
例えば、「YouTubeで何かやりたい」と考える人は多いでしょう。しかし、単なる言葉に留まらず、実際に手をつけてみてほしいです。難しいことではありませんし、始めることは誰にでもできるからです。私自身も数年前、ゲーム実況のチャンネルを立ち上げましたが、動画編集の難しさや再生回数を増やすことの困難さなどの課題を経験することで、多くのことを学びました。
YouTubeに限らず、どんなプロジェクトや夢でも、行動することで初めて本当の課題や困難を理解し、成長することができます。難しいことでも、今すぐに取り組める最初のステップを踏み出すことをお勧めします。成功への道は行動することから始まります!