青山学院大学 理工学部経営工学科卒。新卒で銀行系IT企業に入社。フリーのITエンジニアの後、独立系IT企業に入社。その後独立しMBAを取得。現在は数社の顧問として、またコンサルタントとして人材育成にかかわるとともに、研修講師、私立大学の講師として活躍中。博士課程にてマネジャーの意思決定と認知スキルについても研究中。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
IT生まれのIT育ちの私はずっと開発の現場に従事していました。そんな時、市場で求められているスキルと前職の社内の保有スキルにアンマッチが生じ、仕事が取れなくなってきていました。そこで会社も人を育てることに目を向けるようになり、私に声がかかりました。そこから新たに人と組織に関する学びを始めました。
また、マネージメントに於いて何をするかの前に、何を見て何を考えるか(認知)の大切さを考えていたことから、人の思考を研究し始め、思考や感情を含めた研修の提供や、思考の枠を広げてより良い判断につながるコーチングに携わるようになりました。そして現在、企業への人材育成のお手伝いをしています。
-仕事へのこだわり-
システム開発に従事していた時、品質について思うことがありました。システムは人が作り上げるにもかかわらず、人は誤りを起こします。神様でも機械でもないので当然です。でも求められた品質はクリアしなければなりません。
一つの視点だけでは問題を探し切れません。様々な視点で物事を見ることや、自分の見方や考え方を一度疑って違う眼で物事を見ようとしなければいけないと思うようになりました。
問題が起こったことに対処するだけでは、もぐら叩きのように次々と問題が起きます。そこから問題の背景に眼を向けることの大切さを学びました。問題はどのようにして起こったのかを考える、これらの思考は今でも変わりません。目の前の出来事だけではなく、その背景にある何かを見て、考えられる視点は本当にそれだけなのかを疑うようにしています。
また、フリーで開発業務を行っていた頃、会社に所属しない私には待っているだけでは面白そうな仕事は来ませんでした。いかに信頼を得るか、いかに面白い仕事ができるようになるかを考えていました。その時、どんな小さな仕事でも、どんなつまらなさそうな仕事でも、学ぶものはあると思いました。人の動き、人の関係、組織の関係、仕事の流れ、様々な学びのポイントがあったように思います。
人材育成に仕事がシフトしてから、改めて今までの現場での仕事を振り返りました。その時、仕事を通じて充実していると感じるには何が必要なんだろうかと考えるようになりました。そしてさらに組織としても成果を上げやすくするにはメンバー同士がどのような状態であるとよいのだろうか、マネージャーには何が必要なのだろうかと考えるようになりました。
-若者へのメッセージ-
一つ目は、思考の枠を広げてほしいと思います。
そのためにいろいろな視点で物事を見てほしいです。年を重ねると当たり前を作り出して硬直した思考に固執してしまいがちですが、柔軟な考えを持つことが出来る今だからこそ、意識して思考の枠を広げてほしいと思います。見方が変われば同じものを見ても考え方が変わってきます。見えていなかったものが見えてくるはずです。そして思考も無限に広げられるようになります。
二つ目は、状況をマクロミクロによく見てほしいと思います。
人や組織は何を思い願っているのか、その背景には何があるのか、人や組織はどのような流れの中にいるのか、そして人々や組織の関係性はどのようなものなのか。これらの状況を広く深く見ることで、何をすべきかが見えてくるはずです。
最後に、強みに目を向けてほしいと思います。
弱みにばかり目を向けるのではなく、強みに目を向けてほしいと思います。自分の強みは何だろうか、周囲の人の強みは何だろうか、そして組織の強みは何だろうか。その強みが弱みを克服するのにも大きな役割を果たし、前に進む力を与えてくれるはずです。
これからチャレンジを続ける若い方が力強く前に向かって進まれることを心から応援しております。