INTERVIEW
KITAHARA MAKI

北原万紀

株式会社GSEコンサルティンググループ 代表取締役・エグゼクティブコーチ https://global-synergy.net/

略歴

1985年生まれ。佐賀県出身。2009年、北九州市立大学国際関係学科卒業後、外資系電子ソリューションメーカーに8年勤務。2018年から独立し、起業家・投資家・経営者向けの海外起業および海外投資による移住をサポート。2021年に、人間行動学を基礎技術とした教育コンサルティング事業(GSEコンサルティンググループ)を設立。2022年末に、日本の会社を経営する傍ら、国を超えた経済循環・文化交流を生むことで世界を豊かにする事業活動を支援したいという想いから、日本と世界を繋ぐ国際ビジネスのサポートのためにドバイにて起業し移住。

現在の仕事についた経緯は?

挫折と絶望の中でも消えなかったビジョン。
幼い頃から「夢は?」と聞かれてもうまく答えられなかった理由は、環境にあったのだと思います。両親は高卒で海外にも出たことがない人たちでしたが、父の転勤で両親が東京に住んだ時に「グローバル化」と直感的に感じ、当時私を含む三姉妹はまだ誰も生まれてもいなかったのですが、私たちを育ている過程で、英語教育を行い、海外へ飛び立つことを促す、先見の明を持った人たちでした。しかし、周りは佐賀県の田舎。ロールモデルになるような人はおらず、目指したい人がいませんでした。
大学在学中に留学や五大陸制覇をして「国際的に働く女性」という手触りが持てたところで採用されたのが外資系の会社でした。でも、そこに待っていたのは、「女性だから」というキャリアの壁。妊娠や出産というライフイベントでキャリアから遠のく女性の先輩たちばかりを目にしました。外資系でしたが、日本支社は超ドメスティックで、海外転勤の話もなしになり、希望を持てなくなって不妊、退職、離婚まで発展しました。
行き詰まって挫折と絶望の淵にあった時に、「自分のビジョンを生きること」に立ち戻り、再起するきっかけになったのが「人間行動学」。これを基礎技術にしたコーチングと講座を行うようになったのが日本の教育コンサルティング事業の原点です。また、2022年末には、国際的なビジネスに携わる夢を実現するため、ドバイで会社を設立することができました。

仕事へのこだわり

「人や社会の問題を解決する」ビジネスの基本に立ちかえる。
私は「先天的な起業家」ではありません。周りは農家さんが多い田舎町で育ち、周りには起業家なんていませんでした。結婚して子どもを産んで、家庭的な女性が評価されますし、いい学校に行って良い会社に就職することが約束された将来だと教育されてきましたから。でも、どうにかこうして「後天的」に「起業」できて「経営」していっているのは、ビジネスの本質を「人間行動学」を学ぶ過程で身につけられたからだと思います。ビジネスが「人や社会の問題を解決する」ことであり、その等価交換によって取引が成り立つこと、さらに市場(マーケット)という場所で取引を増加させていく仕組みを作ることができるのか?というシンプルさが見えた時に、今まで遠くにあった経営や金融が身近なものになっていきました。
私の起業の原点は、「昔の自分に教えてあげたかったこと」を形にした講座や、「昔の自分にこう関わってあげたかった」というコーチングなんです。今はその技術を普遍的な「技術」に転換して、より多くの人たちのために使ってもらえるように、起業家や経営者向けのエグゼクティブコーチング、リーダー育成型のグループコーチング型プログラム、ライフコーチング事業とプロダクト化しています。さらに、そこに、私の国際ビジネスに関わった経歴や個人的な研究領域を加えて、海外進出をサポートにしたものがドバイの会社になります。
通常の起業家は、「市場性」や「先見性」からスタートされるのかもしれませんが、私は「人生をかけてやり遂げたいことなのか?」という個人のミッションやビジョンから「ビジネスの種」を生み出し、時代や社会の流れを読んで、マーケットにフィットさせていく、個人を起点にした手法です。そこが、コーチングで重宝いただいているポイントでもあります。

若者へのメッセージ

私のように、過去にライフイベントがキャリアアップの壁になった女性たちが、チームで私の事業を支えてくれています。私はドバイにいますし、全員がリモート勤務で、プログラムもすべてオンライン化しています。コアメンバーの半分は海外在住の日本人女性です。勤怠管理もありませんし、会議には子どもが乱入します。時差は最大9時間ある中で、会ったことがないメンバーもいるし、チャットとZoomだけで成り立っています。
私たちの合言葉は、「できる方法を考える」、「変化することを厭わない」です。キャリアかプライベートかという二択ではなく、両立させて人生の幸福度を高めるウェルビーイングな状態が職場にないと、働く人が疲弊し枯渇し、消耗されていきます。働く人もその家族も、お客様も社会も、そして未来もより良くなっていくビジネスを模索し続け、100年後も愛され継承され続ける、サステナブルなビジネスの創出ができる起業家や経営者が、日本や世界にもっと増えるといいなと思います。
あなたの中にある「人生をかけてやり遂げたいこと」を形にして、人や社会の問題を解決してください。その問題は、あなたに解決されることを待っています。