工業高校卒業。株式会社三協精機製作所に入社、43歳の時に部長に昇格辞令を受ける。1週間後に辞表を提示するも受理されず、嘱託として新製品の開発をすることと部下を育成することで合意。65歳で退職するまで嘱託として働く中で、当方から希望もしないのに三協精機製作所の社長直属の小松研究室も組織の中に作ってもらい活動した。この間小松独自の新製品開発は続けることができた。
【受賞歴等】
平成14年10月17日、文部科学大臣賞受賞。5インチフロッピーディスクドライブ用モーターの開発。
公益財団法人りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞共催の中小企業優秀新技術・新製品賞に於いて、第17回 2005年に優秀賞を受賞。高効率ACモーターの開発。第22回 2010年に優良賞を受賞。完全回転バランス型シリンダー装置。
2007年、特許庁発行の知財で元気な企業に全国から110社が選ばれ、その中で弊社が紹介された。
略歴
-現在の仕事についた経緯-
中学時代、野球部の部員が部活をしている時に女子学生にもてる様子を見ていました。私は身長も低いし体重も痩せ型なので、他人に出来ないことを考えて、新しい製品を作ることで人生の勝負をして、のちの世に残したいとの思いで今日まで一貫して行動して参りました。
-仕事へのこだわり-
現在の仕事に就いた経緯に記した考え方を常に意識して行動をした結果、サラリーマン時代と法人化して独立した現在までに出願した特許件数はおよそ450件となりました。そのうち、270件が特許として登録されました。
これらの特許中に、新日本製鉄に採用された例、キャノンに100%採用された例、中国のメーカーに実施権を許諾した例等、多くの実績があります。
-作成した代表的な製品-
①複写機の印字紙重送防止用トルクリミッター
従来の他社製品にくらべて、品質のバラツキが3分の1でコストも2分の1~3分の1と非常に安価で高性能なため、キヤノン様はじめフラザー様にも100%採用頂きました。
②単相交流同期モーター
効率は90%以上発熱が殆どないドライバーが一台で10台程度の並列運転が可能です。効果は絶大でしたが残念なことに日本国内は50Hzと60Hzが共存しており、事業展開が非常にやりずらかったため特許を中国メーカーに売却しました。
③回転バランス型シリンダー装置
レシプロ方式でありながらピストンの往復動による機械的ロスが全く無いため、振動が無く、また機械的損失が無い分消費電力が低くなります。既に酸素濃縮器用や真空ポンプは量産中ですが、応用展開分野は非常に広く、現在も新分野向けに開発を続けています。
特に小型化を追求するとポンプの回転数を上げる必要があり、概ね1200rpm前後でリードバルブによるノイズが発生しますが、この問題も部品点数を追加することなく解決できました。
今後この新分野向け新商品開発に重点を置いて進めたいと考えています。
-若者へのメッセージ-
既にお持ちの知識で不可能と思われるテーマでも、不屈の精神であらゆる角度から問題解決の可能性を追求すれば殆どの場合解決策は見えてきます。
この時の改善案に重要なことは、科学的に合理性があること、また中途半端な常識は自由な発想の阻害要因になるというのを認識することが重要です。